ごあいさつ

宮崎先生写真

 

 

 今やわが国の3人に1人が睡眠に関わる問題を抱えています。睡眠不足は仕事や学習の能率を低下させ、労働災害や交通事故のリスクを高めます。さらに、生活習慣病やうつ病、認知症の発症と深く関係しています。最近では認知症予防には、適切な睡眠が重要であり、睡眠障害の治療が脳の機能回復に有効であることが明らかになってきています。
 2004年に滋賀医科大学に我が国で初めての「睡眠学講座」が開設され、秋田大学より赴任しました。2005年には、経済産業省の支援のもとに、睡眠知識の普及を推進する「睡眠健康指導士」の育成コースを開始し。2009年には日本睡眠教育機構を設立して、これまで4,700名以上の認定睡眠健康指導士を育成、継続認定しています。

 2013年からは、放送大学客員教授として広島大学の林光緒先生とともに「睡眠と健康」を担当し、毎年5,000名以上の履修生を受け入れております。

 2016年4月より2025年3月まで中部大学生命健康科学研究所の「睡眠・認知症予防プロジェクト中部大学推進センター」ならびに健康増進センターの「睡眠相談室」で活動してきました。その間、わが国で初めての睡眠相談室を中部大学内に設けて頂き、年間100件以上の学生相談を受けております。1-2回のアドバイスで半数以上の学生さんで、著明な睡眠改善を認めております。

 昔から「寝る子は育つ」と言われるように、睡眠中に成長ホルモンが分泌され、子どもの筋肉や骨が成長し、成人でも組織の修復や疲労回復が行われます。また、睡眠は疲れた脳を休ませるだけでなく、記憶を整理し、固定・消去を行う機能があり、学習した後に十分な睡眠をとることが運動技能や語学の習得を促すことがわかっています。
 このように大切な睡眠について研究し、正しい知識を伝え、「眠りで日本を元気にする」ために、地域・全国を対象に、睡眠教育として幼稚園から大学まで、さらには放送大学、医学関連学会、市民講座、学術講演会等で、睡眠の重要性、睡眠知識の普及に努めていきます。
皆様の一層のご理解と、力強いご支援を心よりお願い申し上げます。

 

 

日本睡眠教育機構理事長、放送大学客員教授

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